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ProgressoR(ウズベキスタン)に掲載された
VM氏によるレビュー


AUSIAという、新しい、日本人による企画を構成するメンバーの、今年果たした仕事(本作、かさかさが最初に我々をアコスティックプログレッシブの未知なる世界に連れ出したのではない事;足立兄弟、壷井彰久と鬼怒無月のERA 等)を考えれば、彼らがスーパーグループであることは容易に知れる。

概要:9曲を収めた本作の中、2曲は歌入りのカヴァーで、(1曲はウィリアムシェイクスピアの物、もうひとつはかつてのジェスロタルのもの)それは、借り物ではあるが、その二つは、あたかも初期ジェスロタルのアルバムから抜粋した物のように感じる。もちろん、宗亮はジェスロタルのイアンアンダーソンとは違う唄い方をしているのだが...。しかし、これが全てではない。足立宗亮自身の曲は独特で、そのカヴァー2曲よりも、もっと興味深いものだった。

二つの歌入りの曲を抜いたとしても、総収録時間は49分あり、フルアルバムとしても充分以上な長さを持っているにもかかわらず、この男をとりこにしているジェスロタル(字面はタルだが実際はイアンアンダーソンと言うこと)のパッションが、彼の後を影のようについて回っているようであり、やんわりと二つの歌曲を入れ込んだようだ。前作、足立兄弟に宗亮が持ち込んだ本作収録とまったく同じ2曲が同じように有用と感ぜられず、この曲を通して既視感を生みはしなかった。

この二曲のカヴァーは足立兄弟収録のものといくぶん違うようだが。前に触れたように、かさかさの眼目は彼ら独自の器楽曲にあるのだ。実際にたくさんのオリジナルが収録されている。それぞれの器楽曲の編曲は、ギターによるパッセイジ、ソロ、リズムとリコーダーのソロ、そしてヴァイオリンによるパッセイジを使い、スリルのある、ほとんど絶え間無く徹底的なインタープレイを行う事で、成り立ち、調和していて、二つの歌入りの曲よりさらに多様で興味深い物になっている。驚嘆すべき新鮮さを持った音像、まったく独自の空間と、アルバムの様式の基盤には古典が横たわる。

純粋に形式を守った曲、『 Housewarming in Alaska』と『Lost on the Way Home』、英国フォーク音楽の要素を持つ『Vision That You Give』, 『Night Dance』, と 『Short Summer in Valhalla 』. そして私の目には残りの二曲『Indian Rain』とタイトルトラックである『かさかさ』が特に素晴らしくうつった。Lakshmi Subramaniam(ラクシュミ セイブラメイニアム)が誇りにしている南インドの古典音楽を髣髴とさせる魔法に満ちた演奏となっている。

結論:同じ年に発表された、二つの同じ曲を含む二枚の異なったアルバムによる刺激は筆者の理解を超えていた。故に、この状況で私にはこれを傑作と評することが出来ない。尊敬に値する作品であり、本年聴き得た最も興味深く、貴重な音を有したアコースティックプログレッシブアルバムであるにも拘らず、である。









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