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The Hairless Heart Herald(英語)に掲載された
Jem Jedrzejewski氏によるレビュー

 
そして、今プログレッシブロックの世界に何か完璧に異質な物として、日本から純粋に生楽器演奏のグループAUSIAがやって来た。アンプラグド(電気を使用しない)と言うのは耳に新しくもないが、演奏の構成楽器はたいていギター、打楽器、そしてアンプを要するベースやキーボードまでが入る、まがい物が多いのが実状である。
しかしヴァイオリン、ギター、マンドリン、リコーダー等の笛、を使用した本作は本当のアンプラグドで、その成果も異質極まりない物だった。
その音楽は今のところ比較されるべき物が見当たらず、日本の古典音楽の調べと構造を引用しつつ、英国フォーク調を感じさせるような物と言えば良いだろうか。作品中ほとんどの曲は器楽演奏曲であるが、いくつかの歌を含んだ物もあり、それは現代英国の男性フォーク/ロックタイプのヴォーカリストを彷彿とさせるような歌声である。フルートやフォーク調の物を含む何かは、しばしばジェスロタルや、その頭目、イアン・アンダーソンが引き合いに出されるが、その良い証拠に彼らは実際にタルの曲『Mother Goose』を取り上げて、本当に中世の吟遊詩人のような解釈を与え、これを演奏した。渦を巻くようなヴァイオリンと常軌を逸したフルート、アンダソンの様な(若い頃の彼の様、であるが)ギターとヴォーカルが『Minstrel in the gallerly』(70年代タルの代表作の一つ)がどんなに素晴らしかったか、そして未だにどれだけの光を放っているかを、聴く物に呼び起こさせる。他に『Short Summer In Valhalla』や、『Indian Rain』などもタルの影響や参考が感じられる。
ギターリストでマンドリンもこなす足立宗亮(ヴォーカルも担当)は、“イアン・アンダーソンモード”に入っていないときにはジョン・マクラフリンと比較されよう。笛の奏者、一噌幸弘は古典邦楽を出発点とし、完成した自身の芸術をロックの分野に順応させる前に、既に確立させていた。壷井彰久も同様、ジャズ- プログレの世界に強い影響力を持つKBB(2004年のバハプログフェスティバル出演予定)の支柱として、紹介の要を持たない。

アルバム「かさかさ 」は、万人向けにはなり得ない、しかしプログレ形式にアレンジされた古典日本音楽と、タルの味わいのある現代英国フォークの融合は折衷主義の支持者を魅了し、楽しませずにはおかないだろう。










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